間伐を実施したスギ林における冬期樹冠通過降水量の評価

  • 金子 智紀
    秋田県林業研究研修センター
  • 野口 正二
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林防災研究領域
  • 和田 覚
    秋田県林業研究研修センター
  • 新田 響平
    秋田県林業研究研修センター
  • 澤野 真治
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林防災研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Throughfall Observations During Snow Cover Season in a <i>Cryptomeria Japonica</i> Forest After Thinning
  • カンバツ オ ジッシ シタ スギバヤシ ニ オケル トウキジュカン ツウカ コウスイリョウ ノ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

<p> 積雪地帯に位置する長坂試験地のスギ林を対象として,大型貯留式雨雪量計を用いて冬期(2008年12月24日~2009年3月17日:83日間)の樹冠通過降水量を計測した.また,各貯留式雨雪量計の直上で全天空写真を撮影し,樹冠開空度を求めた.樹冠開空度(平均値±SD)は,無間伐区(15.1 % ± 6.5)< 間伐区(34.3 % ± 8.2)< 作業道区(61.4 % ± 11.7)の順番を示し,多重比較の結果,無間伐区,間伐区および作業道区において,どの組み合わせでも有意な差が認められた.降水量に対する樹冠通過降水量の割合(樹冠通過降水率)は,樹冠開空度の大きさと同様に無間伐区(83.7 % ± 12.1) < 間伐区(85.9 % ± 8.3) < 作業道区(89.6 % ± 5.8)の順番を示した.樹冠通過降水率と樹冠開空度の関係は,正の相関を示し(r = 0.783, p < 0.001),さらに対数曲線で近似すると高い相関を示した(r = 0.884, p < 0.001).冬期の降水量を気温に基づき,降雨量と降雪量に区分した.降水中の雪の割合が増加すると,樹冠通過降水率が減少することが示唆された.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ