待機的に整復手術を試みた若年者腸回転異常症の1例

  • 箱崎 智樹
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 村上 雅彦
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 草野 智一
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 山崎 達哉
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 平井 隆仁
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 冨岡 幸大
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 吉澤 宗大
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 小澤 慶彰
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 田代 良彦
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 野垣 航二
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 古泉 友丈
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 藤森 聰
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)
  • 青木 武士
    昭和大学医学部外科学講座(消化器一般外科学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • CONVERSION CASE OF LAPAROSCOPIC SURGERY FOR INTESTINAL MALROTATION IN AN ADOLESCENT BOY
  • 症例報告 待機的に整復手術を試みた若年者腸回転異常症の1例
  • ショウレイ ホウコク タイキテキ ニ セイフク シュジュツ オ ココロミタ ジャクネンシャ チョウ カイテン イジョウショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は16歳の男性で,幼少期から食べ過ぎると嘔気,嘔吐を来していたが,自然軽快するため医療機関は受診せず放置していた.今回は食後の嘔気が2週間持続するため,前医を受診した.上部消化管内視鏡検査で胃内に大量の残渣を認め,上部消化管の通過障害を疑われ,精査加療目的に当院へ紹介となった.腹部造影CTや経口胃十二指腸造影等の結果から,明らかな通過障害は認めずnonrotation型の中腸軸捻転を伴う腸回転異常症と診断した.検査所見,臨床所見の結果より腸管虚血を疑う所見が乏しいことから,絶食として保存的加療を選択した.その後腹部症状は改善するも,食事再開後に再度嘔吐を認め,腹腔鏡下にて軸捻転整復術を行う予定となった.腹腔内所見で小腸間膜間の癒着が強く開腹移行し,軸捻転を解除した.術後は良好に経過し,特に合併症無く退院となった.腸回転異常症の多くは乳児期に発見されるものが多いが,若年期以降に発見される症例も散見され,反復性の嘔吐や持続性の腹部症状を呈する症例では,本疾患も念頭に置くべきだと考えられる.

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