妊娠・授乳期のエポキシ樹脂曝露が新生仔マウスに及ぼす行動毒性

DOI
  • 宮崎 育子
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 菊岡 亮
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 磯岡 奈未
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 禅正 和真
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 新居 麗
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 園部 奏生
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 船越 英丸
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 中山 恵利香
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 進 浩太郎
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 山本 大地
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • Kyle E QUIN
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学
  • 浅沼 幹人
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・脳神経機構学

書誌事項

タイトル別名
  • Exposure of dam to epoxy resin BADGE affects behavior of neonatal mice

抄録

<p>我々はこれまでに,缶詰,飲料缶の内面コーティング剤として用いられるエポキシ樹脂Bisphenol A diglycidyl ether (BADGE)を妊娠・授乳期に投与した母体からの新生仔は頭頂皮質第2/3層細胞数が低下し,第5層Ctip2陽性錐体細胞が対照群と比べより第5層に限局することを見出し,高濃度のBADGEへの曝露は,早期の神経分化をもたらす可能性を示した.今回,母体へのBADGE曝露による新生仔マウスの行動評価を行うため,BADGE (0.15, 1.5 mg/kg/日)をマウスの妊娠全期から授乳期にわたり固形食餌に混ぜて投与し,生後5-8週にかけてオープンフィールドテスト,高架式十字迷路による行動実験を行った.生後5-8週齢の体重測定では,雄性マウスではBADGE曝露による影響はみられなかったが,BADGE (0.15 mg/kg/日)投与した雌性マウスでは有意な体重増加が認められた.オープンフィールドテストで5分間の移動距離は群間で差がなかったが,フィールドを中央,コーナー,壁面に区画し,各区画滞在時間を計測したところ,BADGE (1.5 mg/kg/日)投与した雄性マウスでは5週齢の早期にコーナーへの滞在時間が有意に延長した.一方,高架式十字迷路ではBADGE曝露による有意な変化はみられなかった.以上より,妊娠・授乳期における高濃度のBADGEへの曝露は,若年期に不安様行動を惹起させる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713083270016
  • NII論文ID
    130007677234
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-114
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ