ストレプトゾトシンおよび高脂肪食を用いた糖尿病・脂肪肝関連初期発がんモデルラットの肝前がん病変におけるオートファジーの関与の検討

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タイトル別名
  • Autophagy involvement in pre-neoplastic lesions on a rat model of fatty liver and diabetes mellitus induced by high fat diet and streptozotocin

抄録

<p>【背景及び目的】非アルコール性脂肪性肝疾患の患者の一部は非アルコール性脂肪性肝炎、線維化を経て肝細胞癌へと進行するが、肝細胞の脂肪肝からがん化に至る分子機構は十分には解明されていない。糖尿病は非アルコール性脂肪肝の発生に関連していると言われている。本研究では、肝前がん病変形成に対するオートファジーの関与を明らかにするために、糖尿病・脂肪肝関連初期発がんモデルを用いて検討した。【方法】5週齢の雄F344ラットを、基礎飼料(BD)群、streptozotocin (STZ) 誘発糖尿病BD群 (BD+STZ)、高脂肪飼料(HFD)群、STZ誘発糖尿病HFD群 (HFD+STZ)の4群構成とし、それぞれ9, 9, 9, 12匹の計39匹を使用した。順化後に発がんイニシエーターdiethylnitrosamine (DEN)を単回腹腔内投与し、2週間後にSTZを30 mg/kgで単回腹腔内投与、3週間後に2/3部分肝切除、7週間後に糖負荷試験を実施し、8週間後に解剖した。【結果】糖負荷試験の結果、BD群、HFD群と比較してBD+STZ群、HFD+STZ群において血糖値の高値が認められた。体重はHFD群と比較してHFD+STZ群で低値を示し、腹腔内脂肪重量はSTZ投与群において低値傾向を示した。肝臓の脂肪化および風船様変性のスコアがSTZ投与により増加した。肝臓の免疫組織化学染色では、肝前がん病変指標GST-P 陽性巣はBD群、BD+STZ群と比較してHFD+STZ群で高値を示した。GST-P陽性細胞巣におけるオートファジーの活性指標であるLC3の発現はCD+STZ群と比較してHFD+STZ群で陽性細胞数の高値を示した。real time RT-PCR解析の結果、肝臓のオートファジー関連因子の遺伝子発現に差は認められなかった。【考察】HFDおよびSTZにより誘発した糖尿病・脂肪肝関連初期発がんモデルにおける、肝前がん病変の形成にはオートファジーが関与することが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238105806592
  • NII論文ID
    130007677453
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-78e
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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