地方自治体の政策転換におけるSNSを用いた社会運動のフレーミング効果

書誌事項

タイトル別名
  • The Framing Effect of Social Movement Using SNS in Policy Change of Local Government
  • 地方自治体の政策転換におけるSNS を用いた社会運動のフレーミング効果 : 渋谷区「同性パートナーシップ条例」の制定過程を事例に
  • チホウ ジチタイ ノ セイサク テンカン ニ オケル SNS オ モチイタ シャカイ ウンドウ ノ フレーミング コウカ : シブヤク 「 ドウセイ パートナーシップ ジョウレイ 」 ノ セイテイ カテイ オ ジレイ ニ
  • —Based on the Case of the Policy Making Process on Shibuya City's "Same-Sex Partnership Ordinance"
  • –渋谷区「同性パートナーシップ条例」の制定過程を事例に–

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抄録

本稿は、渋谷区の「同性パートナーシップ条例」の制定過程を事例に、地方自治体の政策転換における、SNSを用いた社会運動のフレーミング効果を実証的に分析するものである。この条例の制定過程において、活動家の影響を受けて議員がつくり出したフレームと活動家によるフレーム形成、さらに、議員が設定したフレームに従って行われたTwitterでのハッシュタグを用いた運動とインターネット署名運動は、区長や行政職員、議員の判断に影響を与えた。またその際、SNSには、運動への動員効果よりむしろ、議員などに対して新たな解釈の枠組みをつくり出すフレーミング効果が認められた。その結果、議会の最大会派が条例に好意的でなかったにも関わらず、政治的対立が回避され、区長のイニシアティブで条例が制定されるというスムーズな政策転換が可能となった。本稿の検証により、フレームの設定とその拡散が、当事者や潜在的な賛同者の存在を可視化しつつ、自治体の政策過程に影響を与えることが立証された。

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