うつ病と神経細胞死

• 山形 弘隆

  山口大学大学院医学系研究科高次脳機能病態学分野

書誌事項

タイトル別名

• Major depressive disorder and neuronal cell death
• ウツビョウ ト シンケイ サイボウシ

抄録

ストレス負荷マウスやうつ病患者死後脳などの遺伝子発現解析で，細胞死関連遺伝子の発現変化が報告されている。これらの報告はうつ病と神経細胞死との関連を示唆しているが，もし神経細胞死がうつ病の原因であるならば，「うつ病は神経変性疾患なのか」という疑問も生じてくる。認知症とうつ症状との関連も報告されていることから，神経細胞死が病態と深く関わっているうつ病と，そうではないうつ病があるのかもしれないが，ICD-10やDSM-5などの操作的な診断基準では，病態が異なる「うつ症候群」がすべて「うつ病」と診断されてしまうという問題がある。この問題を解決するには，うつ病を戦略的に亜型分類し，臨床研究の結果を基礎研究で確かめるトランスレーショナルな研究を計画することが有用かもしれない。本稿では，うつ病と神経細胞死について，最近の知見や当科の研究成果を紹介しながら，うつ病研究のこれからの方向性について考察する。

収録刊行物

• 日本生物学的精神医学会誌

  日本生物学的精神医学会誌 28 (4), 169-174, 2017

  日本生物学的精神医学会

キーワード

• depression
• cell death
• apoptosis
• dementia
• Bcl-2 family
• inflammasome

詳細情報

• CRID: 1390845713085050624
• NII論文ID: 130007684971
• NII書誌ID: AA12468060
• DOI: 10.11249/jsbpjjpp.28.4_169
• ISSN: 21866465
• ISSN: 21866619
• NDL書誌ID: 028797877
• Web Site: http://id.ndl.go.jp/bib/028797877
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I028797877
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2018137120
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可