骨髄系腫瘍における疾患責任遺伝子の探索

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タイトル別名
  • Genetic defects of chromosome 5q and 7q in myeloid neoplasms
  • 骨髄系腫瘍における疾患責任遺伝子の探索 : 染色体5番,7番の変異解析
  • コツズイケイ シュヨウ ニ オケル シッカン セキニン イデンシ ノ タンサク : センショクタイ 5バン,7バン ノ ヘンイ カイセキ
  • —染色体5番,7番の変異解析—

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抄録

<p>骨髄系腫瘍において,5番染色体長腕および7番染色体長腕の欠損は高頻度に認められる異常である。SNPアレイ解析,全エクソン解析などの包括的な解析を行い,疾患発症・病態形成・進展に関与する遺伝子の同定を試みた。5番染色体上には,高頻度欠失領域(5q32-q33)にp53調節因子であるG3BP1遺伝子の変異を,テロメア側(5q35.3)に家族性白血病の責任遺伝子であるDDX41遺伝子の変異を認め,5番染色体欠失例では高頻度にTP53変異を認めた。7番染色体上には3ヶ所の高頻度欠失領域をみとめ,それぞれ転写因子であるCUX1(7q22),スプライシング装置を構成するLUC7L2(7q34),ポリコーム複合体であるEZH2(7q35-36.1)の機能喪失型変異を認めた。これらの遺伝子はいずれも欠失に伴いハプロ不全を呈していた。これらの遺伝子の欠失・変異による機能不全により,スプライシング異常,エピジェネティクス異常,DNA修復機構の異常やp53の活性化など複雑な分子異常が絡み合い,骨髄系腫瘍の発症・進展に関わっていると推測された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (7), 800-809, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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