思考発話法を用いた穴埋め式問題の解決プロセスの解明

書誌事項

タイトル別名
  • Clarifying Solving Processes of Fill-in-the-Blank Problems Using the Think-aloud Method
  • - Using Past Mathematics Tests of the National Center University Entrance Examination -
  • ―大学入試センター試験問題の数学既出問題を活用して―

抄録

<p>大学入試センター試験の穴埋め式の問題について生徒がいかに思考し解決しているかを明らかにするために,センター試験の数学問題2題を題材として,17名の高校生を対象に思考発話法を用いた認知実験を行った.設問の解き方について,14名の生徒が設問順に解答する行動を取った.解決方略について,小問間の関係から示唆される有効な解決方略に気づいた生徒は2名のみであり,小問構成から意図された解決の道筋を掴み生かそうとする傾向はほとんどみられなかった.解答欄の形式を手掛かりにして,空欄に合うように答えを自発的に再考した生徒は5名いたが,そのうち2名が理解の伴わない修正をした.こうした特徴は調査対象問題の正答数上位の生徒にも見られた.センター試験の数学における穴埋め式問題は,小問による誘導に沿って順に答えていくという数学的問題解決が引き出されやすく,問題全体を見渡して小問間の関係の有無や主従を見極めたり,ある小問の解決を別観点から位置づけ直したりといった数学的問題解決は起こりにくいことが示唆された.本研究の知見は,センター試験数学の出題意図と受験者の問題解決過程の対応に関して広く関係者に再考を促す資料となりうる.</p>

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被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288157202688
  • NII論文ID
    130007691332
  • DOI
    10.24690/jart.15.1_149
  • ISSN
    24337447
    18809618
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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