糖尿病患者のバランス能力と筋力を含む身体能力に関する研究:―糖尿病入院患者を対象とした退院後の転倒追跡調査について―  [in Japanese]

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Author(s)

    • 鈴木 康裕
    • 筑波大学附属病院リハビリテーション部|筑波大学大学院人間総合科学研究科|つくば糖尿病予防研究会
    • 矢藤 繁
    • 筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科
    • 鈴木 浩明
    • 筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科
    • 石川 公久
    • 筑波大学附属病院リハビリテーション部|つくば糖尿病予防研究会
    • 羽田 康司
    • つくば糖尿病予防研究会|筑波大学医学医療系リハビリテーション科
    • 島野 仁
    • 筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科

Abstract

<p>【背景および目的】</p><p>糖尿病多発神経障害(diabetic polyneuropathy:以下DPN)が転倒と関連しているとした報告が多い。DPNによる身体能力の低下が転倒に関連しているのではないかと仮定し、2型糖尿病患者を対象に、身体能力とDPNの関連性について比較検討を行った。その結果、DPNにバランス能力である姿勢安定度評価指標(Index of Postural Stability:以下IPS)が独立して影響することが明らかとなった.そのため、糖尿病入院患者におけるIPSを含めた身体能力を把握し、その後の追跡調査を行うことで将来の転倒リスク因子を予測することが可能と考えた。</p><p> </p><p>【方法(または症例)】</p><p>対象は、平成26年6月から平成28年5月に当院に入院し、独歩可能で日常生活の自立した糖尿病患者とした。さらに入院期間中に理学療法士によって身体能力の評価を行った185名のうち、退院1年後の郵送アンケートに答えた者とした。本研究は、入院中に対象の基本情報、入院時転倒歴、血液生化学検査値、動脈硬化指標、体組成、自律神経機能の情報を取得し、DPN判定評価、身体能力評価(握力、膝伸展筋力、膝伸展筋持久力、足関節背屈筋力、足趾筋力、IPS、開眼片脚立位、指床間距離)を行った。これらの臨床指標と退院1年間における転倒との関連について調査を行った。</p><p> </p><p>【結果】</p><p>アンケート回収率は67.0%(185名中の124名、男性69名、女性55名、56.1±14.0(17-84)歳)であった。124名中27名に退院後1年間で転倒が発生しており、転倒率は21.7%であった。退院1年間の転倒の有無に影響する因子として、入院時転倒歴、空腹時血清CPR、膝伸展筋力が独立して認められた。</p><p> </p><p>【考察および結論】</p><p>糖尿病入院患者の退院後の転倒追跡調査を行った結果、身体能力における独立した転倒予測因子として、膝伸展筋力が示された。また、退院後1年間の転倒率は約22%であり、糖尿病入院患者は、非高齢者を含んでいても退院後の転倒リスクを有することが示唆された。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は、対象者に研究の趣旨、内容、および調査結果の取り扱いなどに関して説明し文書にて同意を得ており、また当院倫理委員会によって承認を得ている(承認番号H25-61)。</p>

Journal

  • Congress of the Japanese Physical Therapy Association

    Congress of the Japanese Physical Therapy Association 46S1(0), A-112_2-A-112_2, 2019

    JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION

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