脳卒中患者家族の不安軽減に向けた取り組み
Bibliographic Information
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- −脳卒中教室運営システムの見直し−
Abstract
<p>【はじめに・目的】</p><p>当院回復期病棟（以下、当病棟）では、平成23年度より脳卒中患者・家族(以下、家族)の不安軽減を目的とした脳卒中教室(以下、教室)を開催している。教室では、脳卒中や高次脳機能障害などをテーマにした8つの講義と介助指導などの2つの実技を3回に分け実施している。Watanabeら(2003)は、パンフレットを用い脳卒中についての知識的教育を家族に実施しても満足度は高かった一方で、家族のストレス、不安、うつに関しては大きな変化はなかったと報告している。当病棟が開催している教室においても一定の成果は得られているが、より効果的に不安の軽減を図る為には、各家族が抱える不安に対し個別的介入をする必要があると考える。</p><p> そこで、平成29年度より教室開催前に参加家族にアンケートを実施し、教室開催後、アンケート結果より得られた家族の不安を各患者の電子カルテに記載し担当スタッフが個々の家族に対応し不安の軽減を図る新たなシステム作りを行った。今回、そのシステムの効果検証及び活動終了後に当病棟に関わるスタッフに対し認知度調査を行った結果と合わせ報告する。</p><p>【方法】</p><p>対象は、平成29年5月～12月に当病棟に入院した脳卒中患者の家族で、教室への参加者37名と当病棟に関わるスタッフ93名(医師：5名、歯科衛生士：4名、管理栄養士：1名、リハビリスタッフ：41名、看護師：24名、介護福祉士：14名、社会福祉士：4名)とした。方法は、教室前に事前アンケートを実施。調査項目は、不安尺度(VASスケール)、不安の具体的内容(17項目)とした。事前アンケートの結果は、教室開催後に各患者の電子カルテに記載し担当者に介入を依頼した。教室終了1ヶ月後に参加後アンケートとして事前アンケート内容に加え不安の解消度を4段階にて調査した。また、活動終了後にシステムの認知度調査をスタッフに実施した。統計学的検討はWilcoxon符号順位検定を用い有意水準5％未満とした。</p><p>【結果】</p><p> 不安尺度(中央値)は教室前後において8(MIN6.5-MAX10)→7(MIN5-MAX10)と有意に改善した。不安の解消度は「解消した」0％、「かなり解消した」25％、「まあまあ解消した」58%、「全く解消されない」14%であり、スタッフへの認知度調査結果において、「知っている」と回答した割合はそれぞれ、医師：60％、歯科衛生士：50％、管理栄養士：100％、リハビリスタッフ：90％、看護師：42％、介護福祉士：50％、社会福祉士：75％であった。</p><p>【考察】</p><p>今回、脳卒中患者家族に対して、集団的教育に加え個別的教育を実施することで具体的な不安の軽減とともに不安度の解消に対し、一定の効果がみられた。一方で、本システムの認知度においては各職種において差がみられた。今後、教室内容の充実とともに、各職種に向け定期的に周知活動を行い認知度の改善を図ることで、より効率的に家族の不安軽減に繋げていき、継続して本システムの効果検証を重ねていきたいと考える。</p><p>【倫理的配慮，説明と同意】</p><p> 本研究は当院の倫理委員会の承認を受け、ご家族には事前に研究の説明を行い同意を得た。</p>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 46S1 (0), E-120_2-E-120_2, 2019
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288158152576
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- NII Article ID
- 130007692938
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed
