地域在住高齢者の膝痛と社会経済状況との関連について:JAGES横断研究  [in Japanese]

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Author(s)

    • 池田 登顕
    • 仙台青葉学院短期大学 リハビリテーション学科|東北大学大学院 歯学研究科 国際歯科保健学分野
    • 相田 潤
    • 東北大学大学院 歯学研究科 国際歯科保健学分野
    • 杉山 賢明
    • 東北大学大学院 歯学研究科 国際歯科保健学分野
    • 坪谷 透
    • 東北大学大学院 歯学研究科 国際歯科保健学分野
    • 近藤 克則
    • 千葉大学 予防医学センター 社会予防医学研究部門|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
    • 小坂 健
    • 東北大学大学院 歯学研究科 国際歯科保健学分野

Abstract

<p>【はじめに・目的】変形性膝関節症(膝OA)は痛みを主症状とする高齢期における慢性疾患の一つであり、フレイルや要介護状態、死亡の危険因子として知られている。また、疼痛は生活の質の低下をもたらす大きな要因であるため、公衆衛生学上重要な課題である。近年、社会経済状況(Socioeconomic status; SES)による健康格差が我が国においても報告されている。しかし膝痛と社会経済状況の関連を検証した疫学研究は世界的に見ても少ない。そこで本研究は、様々なSES指標を用いて、SESが地域在住高齢者の膝痛と関連するかどうかを検証した。</p><p>【方法】本研究は、日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトによる自記式郵送アンケート調査データを用いた横断研究である。全国30市町村の要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者26,037名を分析対象とした(返答率67.2%; 平均年齢74.0歳)。調査は2013年10月–12月の期間に実施された。膝痛とSESの関連検証にはポアソン回帰分析を用いた。従属変数は、自己申告による過去1年間における膝痛の有無とした。独立変数は、学歴・過去の職業・等価所得・主観的経済状況・資産の5つとし、それぞれ5種類の独立したモデルにて分析した。なお、基準カテゴリーは学歴13年以上、専門職、等価所得300万円以上、主観的経済状況"とてもゆとりがある"、資産500万円以上とした。調整変数は、性別・年齢・同居人数・婚姻状態・学歴・抑うつ状態・Body Mass Index (BMI)・筋骨格系疾患の有無・市町村とした。</p><p>【結果】膝痛有訴率は56.0%であった。多変量回帰モデルにて、学歴・過去の職業・等価所得・主観的経済状況・資産ともにSESの低い個人ほど膝痛を有意に有していた。有訴リスク比(95%信頼区間):学歴10年未満:1.13 (1.08–1.19)、肉体労働職:1.07 (1.02–1.13)、等価所得100万円未満:1.15 (1.09–1.22)、主観的経済状況"苦しい":1.25 (1.15–1.37)、資産100万円未満:1.14 (1.06–1.22)</p><p>【結論】高齢者において、膝痛に社会経済状況による格差が認められた。疾患だけではなく、痛みなど症状についての健康格差についてのさらなる研究が必要である。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究は、日本福祉大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会の承認(申請番号13-14、2013年8月6日承認)を受けて行われた。なお、アンケート返答をもって本研究へ参加同意したとみなした。</p>

Journal

  • Congress of the Japanese Physical Therapy Association

    Congress of the Japanese Physical Therapy Association 46S1(0), G-91_1-G-91_1, 2019

    JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION

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