健常者における筋力、筋体積との関係性

DOI
  • 小網 暢彦
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 渡辺 淳也
    東千葉メディカルセンター 整形外科
  • 中嶋 隆行
    東千葉メディカルセンター 整形外科
  • 森 篤志
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 中島 剛
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 前谷 祐亮
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 前川 珠里
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 齋藤 友佑
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 勝股 美里
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 大野 和香奈
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 高橋 法子
    東千葉メディカルセンター リハビリテーション部
  • 坂井 上之
    東千葉メディカルセンター 放射線部
  • 能勢 毅一
    東千葉メディカルセンター 放射線部
  • 越智 茂博
    東千葉メディカルセンター 放射線部
  • 青木 保親
    東千葉メディカルセンター 整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • -MRI画像による分析-

抄録

<p>【目的】</p><p> これまでの研究で、筋力と筋体積との間には正の相関があると示されているが、筋力増強運動前後での筋力と筋体積との関係性についての報告はない。本研究の目的は、筋力増強運動に伴う大腿四頭筋の筋力増大と、MRI画像を用いて計測された筋体積との関係性について検討することである。</p><p>【方法】</p><p>健常者6名(男性3名、女性3名、平均身長162.8±6.8cm、体重64.5±11.7kg、BMI24.1±2.82kg/m2)の両下肢計12脚を対象とした。セラバンドを用いた大腿四頭筋の筋力増強運動を1日1時間行い、8週間継続した。筋力評価にはμTas F-100を使用し、アニマ社の測定方法に準じ、端座位にて等尺性膝伸展筋力を測定した。大腿四頭筋の筋体積の算出には、MRI(3D 3-point Dixon法)画像を用いた。測定肢位は仰臥位、膝伸展位とし、上前腸骨棘から脛骨粗面までを連続して撮像し、筋体積を算出した。評価期間は、筋力増強運動開始前、筋力増強運動4週後、8週後にそれぞれ実施した。統計学的処理には、ピアソンの相関係数の検定、重複測定一元配置分散分析を用いた。</p><p>【結果】</p><p>筋力増強運動前、運動4週後、及び運動8週後で大腿四頭筋の筋力、筋体積は有意に増大した(P<0.01)。また、筋力増強運動前、運動4週後、及び運動8週後で、大腿四頭筋の筋力の増加率と筋体積の増加率との間に、正の相関を認めた(P<0.01)。</p><p>【考察】</p><p> 筋力増強運動に伴う大腿四頭筋の筋力増大と、MRIを用いて計測された筋体積との関係性について検討した。これまでの研究では筋力と筋体積が高い相関を示し、密接に関係しているという報告が多く、今回の結果も同様であった。筋力増強運動に伴う大腿四頭筋の筋力増加率と筋体積の増加率を評価した結果、有意な相関を認めた。これらのことから、MRI画像から筋体積の変化率を算出することにより、筋力の変化率を評価できると考えられる。これにより意識状態や全身状態の悪化により通常の筋力測定が困難な症例においても、筋体積を測定することにより、おおよその筋力を把握できることが期待される。また廃用性症候群の評価、リハビリの効果判定等の客観的な評価にも、応用可能であると期待される。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に沿ったものであり、自由意思による研究参加、参加辞退の自由、辞退における不利益が生じないことを伝え、当院倫理委員会にて承認を得た(受付番号:第59号)。</p><p>被検者への研究協力及び参加の説明の際には十分な説明と本人の同意を得て、データ計測を実施した。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), H2-29_2-H2-29_2, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713088000768
  • NII論文ID
    130007693937
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.h2-29_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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