真空フライケールチップスの性状と構造の関連

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タイトル別名
  • Relationship between the properties and the structure of kale chips fried in vacuum

抄録

<p>【目的】真空フライは,高真空下で通常より低い温度で食用油を熱媒体として食品を乾燥させる調理法である。葉物野菜のケールを用いて,下処理の洗浄が真空フライケールチップスの外観,栄養素量と構造に及ぼす影響を検討した。</p><p>【方法】試料はケールを用いて,下処理を水洗浄と50℃洗浄とし,冷凍後,-0.090〜-0.097MPaの真空下で70℃,38分間加熱とした。測定は,水分量,表面色,官能評価,ビタミンC量,放射光X線によるμCT(三次元構造解析)とXRF(蛍光X線分析,元素分析)を実施した。</p><p>【結果および考察】真空フライケールチップスの水分量は5%以下を示した。表面色測定では,生ケールに比べ真空フライケールチップスはb値が高くなり,生ケールとの差であるΔEは水洗浄の方が50℃洗浄より小さくなった。ビタミンC量は水洗浄の方が高い傾向であった。官能評価では,水洗浄が50℃洗浄に比べて,色が良く,食感が好ましいと有意に評価された。元素分析では生ケールを基準とすると,水洗浄と50℃洗浄でFeとZnが多く濃縮傾向であった。構造観察において,生ケールは葉脈に厚さが残り,全体的に水・たんぱく質程度の線吸収係数であるのに対し,水洗浄と50℃洗浄ケールでは全体的に組織構造は残るが内部に空壁が見られ,葉脈組織でミネラル成分が濃縮されることが推察された。水洗浄に比べ50℃洗浄で空壁が多くみられ,葉の折り返し部分に残るフライ油が多めであった。真空フライケールチップスの性状と構造は洗浄水の影響を受け,水洗浄は50℃洗浄のチップスより色が良く,ビタミンC量が多めで,内部の空壁が少なかったことから,50℃洗浄ではケール葉表面が影響を受けることが推察された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713088046720
  • NII論文ID
    130007695535
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_106
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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