群馬県の家庭料理 副菜の特徴

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タイトル別名
  • Gunm prefecture home cooking: side dishes

抄録

<p>【目的】日本調理科学会平成24〜26年度の特別研究で,次世代へ伝え継ぐ資料とし群馬県内で聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め,群馬県の家庭料理の副菜の特徴について報告する。</p><p>【方法】平成25年〜27年に群馬県内の8地域において,各地域2名以上(60 歳〜80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後,嬬恋村・片品村において追加調査を行った。</p><p>【結果および考察】群馬県は首都圏に近く気候にも恵まれ,いろいろな野菜が生産され,旬には山菜やきのこなどの利用も多い。これらの野菜を使って多様な野菜料理が作られているが,中でも「きんぴら」はそれぞれの家庭の味つけで鍋いっぱいに作る常備菜で,おかずはもちろん麺類の「こ」としてもよく登場した。また,自宅でとれた野菜をたっぷり入れたみそ汁は副菜を兼ねるもので,牛蒡,大根,にんじん,里芋,ねぎなどの野菜に油揚げ,豆腐,こんにゃく等をいれたけんちん汁はその代表ともいえる。野菜の煮物にはさつま揚げなど「買ったもの」を入れることも多かった。漬物(ぬか漬け,梅干し,沢庵,白菜づけ,紅しょうが,らっきょう,きゅうりの味噌漬け,きゅうりやなすの塩押し,山菜漬け,きのこ漬け等)はそれぞれ自家製の野菜を樽で漬けた。ゆでた野菜はうどんの「こ」にする他,お浸しや胡麻よごしとしても食べた。大根葉,切り干し大根,いもがら,ぜんまいなどの乾燥野菜や切り昆布は戻して煮物にした。野菜の天ぷら,花豆などの煮豆,特産のこんにゃくを使った田楽や白和えも来客時や日常食として食されている。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134636160
  • NII論文ID
    130007695733
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_207
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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