サソリ毒の持つ精巧なNa<sup>+</sup>チャネル調節メカニズム

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膜電位依存性Na+チャネル(Nav)は膜電位変化に応じてNa+イオンを透過させることで,活動電位の発生や心筋の収縮に寄与する.Navは,膜電位依存的に閉状態から開状態に遷移してNa+イオンを透過させた後,速やかに不活性化する(図1A).Navの特定の遷移状態を安定化できれば遮断薬あるいは開口薬として有用であるが,臨床で使用されるNav標的薬の状態選択性は必ずしも十分ではない.αサソリ毒は,Navの不活性化状態への遷移を選択的に阻害する.本稿では,αサソリ毒の状態選択性とNavの不活性化について原子レベルで解析したClairfeuilleらの論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Catterall W. A., Neuron, 26, 13-25(2000).<br>2) Clairfeuille T. et al., Science, 363,(6433), eaav8573(2019).

Journal

  • Farumashia

    Farumashia 55 (9), 888-888, 2019

    The Pharmaceutical Society of Japan

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