Stage Ⅰ肝門部領域胆管癌術後にドレーン瘻孔播種再発とVater乳頭部癌発症をきたした1例

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タイトル別名
  • Postoperative Dissemination of Early-stage Perihilar Cholangiocarcinoma to Skin of Surgical Scar with Metachronous Cancer of the Papilla of Vater

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抄録

<p>症例は76歳,女性.高CA19-9血症精査目的のERCPで左右肝管合流部直下の肝門部領域胆管に腫瘤が指摘され,総胆管切除が施行された.粘膜限局の高分化型管状腺癌(リンパ節転移・脈管侵襲なし)であった.術後22カ月目に高分化型管状腺癌のVater乳頭部癌が発見され,膵頭十二指腸切除を施行した.癌組織形態は酷似し,いずれもCDX2/CK7/CK19陽性,CK20陰性であった.膵頭十二指腸切除施行後5カ月目にドレーン孔創部瘢痕皮膚に鶉卵大の硬結を認めた.瘻孔部切除標本で高~中分化型管状腺癌を認め,播種転移と診断した.初回手術後29カ月目に腹腔内播種で死亡した.肝外胆管癌とVater乳頭部癌の稀な異時性重複癌と診断した.胆管癌の播種能力は高く,PTBD穿刺部播種はしばしば報告されているが,自験例の様に早期の癌であっても,手術中の少量の腹腔内胆汁散布で播種することがある.このことを念頭におき,治療やサーベイランスは行うべきであると考えられた.</p>

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参考文献 (17)*注記

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