ヒ素吸着除去のためのY(III)添加マグネタイトの開発と吸着機構の解析

  • 大榮 薫
    宮崎大学工学教育研究部 環境応用化学科担当
  • 若松 あむ
    宮崎大学工学教育研究部 環境応用化学科担当
  • 大島 達也
    宮崎大学工学教育研究部 環境応用化学科担当

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Yttrium(III)–Incorporated Magnetite for Adsorptive Removal of Arsenic and a Study of the Adsorption Mechanism
  • ヒソ キュウチャク ジョキョ ノ タメ ノ Y(Ⅲ)テンカ マグネタイト ノ カイハツ ト キュウチャク キコウ ノ カイセキ

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抄録

<p>ヒ素は毒性をもつ元素であり環境水中のヒ素除去が課題となっている.本研究では,Y(III)添加マグネタイト(YMAGx)をY(III)とFe(II)の組成比(x=Y/Fe=0.5, 1, 2)を変えて共沈法により合成し,水溶液からAs(III)およびAs(V)を除去するための吸着特性を評価した.YMAGxの電荷ゼロ点(PZC)および比表面積はxの増加にともない増加した.YMAG2はYMAG0.5およびYMAG1に比べて,幅広いpH領域(pH 6.0–10.5)で97%以上のAs(III)あるいは90%以上のAs(V)を吸着した.YMAGxによるAs(III)およびAs(V)の吸着等温線はすべてLangmuir吸着モデルによく一致し,As(III)およびAs(V)の飽和吸着量はxと正の相関を示した.YMAG2によるAs(III)およびAs(V)の飽和吸着量は1.12×10−3 mol/gおよび3.26×10−3 mol/gと算出され,既存の鉄系あるいはイットリウム系の吸着材と比較して高い吸着量を示した.吸着材のゼータ電位および吸着特性からAs(III)およびAs(V)は内圏錯体形成によりYMAG2に吸着されることが示唆された.吸着されたAs(III)は一部As(V)に酸化されたが,As(V)は原子価状態に変化なく吸着されたことがわかった.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 45 (5), 168-176, 2019-09-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (29)*注記

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