アストロサイトの時計遺伝子は概日行動を惹起する
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- 道永 昌太郎
- 大阪大谷大学薬学部
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抄録
グリア細胞の一種であるアストロサイトは,神経細胞をサポートすることで脳機能の恒常性維持に関わることが周知されていた.近年,アストロサイト自身も脳機能の調節や脳疾患の病態に積極的に寄与することが明らかとなり,生理的および病態生理的な脳機能調節におけるアストロサイトの役割がより重要視されている.生体が生きるうえで重要な脳機能として,概日リズムの調節が挙げられる.概日リズムは約24時間周期で変動する睡眠・覚醒などの生理現象を調節する.概日リズムの破綻は睡眠障害の原因となり,うつ病や自閉症などの発症に関わる.したがって,概日リズムの研究は健康寿命を延ばすための重要な課題である.本稿では,アストロサイトの脳機能における新たな役割として,概日リズムの調節に注目したBrancaccioらの論文について紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Pekny M. et al., Acta Neuropathol., 13, 323-345(2016).<br>2) Logan R. W., McClung C. A., Nat. Rev. Neurosci., 20, 49-65(2019).<br>3) Brancaccio M. et al., Science, 363, 187-192(2019).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 55 (10), 981-981, 2019
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845702294296448
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- NII論文ID
- 130007722343
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可