地理空間情報を活用した視覚障害者の外出を「可能にする空間」の創出——ボランタリー組織による地図作製活動を事例に——

  • 田中 雅大
    首都大学東京大学院生・日本学術振興会特別研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Expansion of Enabling Space for People with Visual Impairments Utilizing Geospatial Information: Case Study of Verbal Mapmaking by a Volunteer Group in Tokyo
  • 地理空間情報を活用した視覚障害者の外出を「可能にする空間」の創出 : ボランタリー組織による地図作製活動を事例に
  • チリ クウカン ジョウホウ オ カツヨウ シタ シカク ショウガイシャ ノ ガイシュツ オ 「 カノウ ニ スル クウカン 」 ノ ソウシュツ : ボランタリー ソシキ ニ ヨル チズ サクセイ カツドウ オ ジレイ ニ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究は,視覚障害者を中心に設立されたNPO団体によるWebを用いた地図作製活動を事例にして,地理空間情報を活用した視覚障害者の外出を「可能にする空間」の創出方法を明らかにし,依存先の集中と分散という視点から地理空間情報技術による外出支援の可能性と課題について考察した.ICTの発達によって地理空間情報を可視化する動きが強まる中,この団体は「ことばの地図」というテキスト形式の地図を作製している.それは,触覚情報を中心に伝えるとともに,漠然とした空間の広がりを強調して利用者の探索的行動を喚起することで,依存先の分散化を促し,視覚障害者の外出を「可能にする空間」を創出している.ただし,その内容は道路の管轄にも左右されている.そのため,技術自体の機能性のみが強調される技術決定論的な外出支援策ではなく,地理空間情報技術が関与する物質的空間の設計方法も同時に考慮できる仕組みが必要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ