腹部大動脈瘤人工血管置換術14年後にTypeII様エンドリークによって被覆瘤壁が破裂した1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Resembling Type II Endoleak Causing Rupture of a Wrapping Aneurysm Sac 14 Years after Open Abdominal Aortic Aneurysm Repair

この論文をさがす

抄録

<p>腹部大動脈瘤人工血管置換術14年後にTypeII様エンドリークにより被覆瘤壁が破裂した症例を経験した.症例は70歳代,女性.X年に腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術,X+11年にA型大動脈解離のため上行大動脈置換術を受けている.X+14年に突然腰背部痛が出現し受診した.CT検査では人工血管に置換された腹部大動脈と被覆した瘤壁との間に造影剤の貯留を認めた.その後,瘤壁の拡大を認め早期の手術を予定していたが,7日目にショックに陥った.CT検査で後腹膜に多量の出血を認め,被覆瘤壁の破裂と診断し緊急手術を行った.被覆瘤壁を切開すると腰動脈から出血を認め,これを縫合止血した.吻合部瘤や人工血管の破損は認めなかった.人工血管置換術後に被覆瘤壁が大動脈分枝からの逆流によって破裂に至った原因にはA型大動脈解離の影響も推測された.人工血管置換術後においても術後の経過時間に関わらず念頭に置くべきである.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ