消化器科領域における好酸球性疾患

  • 藤原 靖弘
    大阪市立大学大学院医学研究科 消化器内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Pathogenesis, Diagnosis and Treatment of Eosinophilic Esophagitis
  • ショウカキカ リョウイキ ニ オケル コウサンキュウセイ シッカン

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抄録

<p>好酸球性食道炎(EoE,eosinophilic esophagitis)は食物のつまり感や嚥下困難があり,生検にて上皮内好酸球が高視野で15個以上浸潤する慢性アレルギー疾患である。以前はプロトンポンプ阻害薬(PPI,proton pump inhibitor)が有効な類似症例はPPI反応性食道好酸球浸潤(PPI-REE,PPI-responsive esophageal eosinophilia)とされていた。しかしながら,さまざまな研究により病態がほぼ同一であることが判明し,最新の国際ガイドラインではEoEの診断基準にPPI反応性の有無は問わないとされた。EoEは本邦では稀とされてきたが,最近その有病率は徐々に増加傾向にある。特に健診などで偶然見つかる症例も多い。EoEの病態は遺伝的素因に加えて環境因子が重要とされる。食物抗原や吸入抗原に対するTh2型アレルギー反応であり,主としてTSLP,IL-13,eotaxin-3による好酸球浸潤を主体とする粘膜炎症相とTGF-b1やperiostinによる粘膜下層の線維化相に分けられる。治療は約2/3の症例でPPIが有効であり,PPI無効症例のほとんどはステロイド嚥下療法が有効である。海外では6種除去食療法,狭窄例に対するバルーン拡張術,難治例に対する生物学的製剤が報告されている。</p>

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参考文献 (14)*注記

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