HMGB1を標的とする化学療法誘発性末梢神経障害の発症予防

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タイトル別名
  • HMGB1 as a target for prevention of chemotherapy-induced peripheral neuropathy
  • HMGB1 オ ヒョウテキ ト スル カガク リョウホウ ユウハツセイ マッショウ シンケイ ショウガイ ノ ハッショウ ヨボウ

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抄録

<p>化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)はがん患者のQOLを著しく損ない,治療の継続を困難にする可能性のある有害事象であるが,現在,CIPNを回避する有効な対策はほとんどない.そのためCIPNの発症メカニズムを解明し,臨床応用可能なCIPN発症抑制薬・治療薬を開発することは喫緊の課題である.我々は,CIPNの発症にdamage-associated molecular pattern(DAMP)タンパク質の1つであるhigh mobility group box 1(HMGB1)が関与することを明らかにしている.また,日本において播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬として承認されているthrombomodulin αが,抗がん薬投与に伴って細胞外に放出されるHMGB1をトロンビン依存的に分解することでCIPNの発症を阻止できることを報告している.このように,HMGB1あるいはその受容体を標的とする薬物を用いることで近い将来CIPNの発症を抑制できるようになることを期待したい.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 154 (5), 236-240, 2019

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (28)*注記

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