びまん性胃粘膜下異所腺に併発し範囲診断と深達度診断に難渋した進行胃癌の1切除例

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  • Advanced Gastric Cancer with Diffuse Cystic Malformation Presenting Diagnostic Difficulty

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抄録

<p>症例は56歳の男性で,定期検査の上部消化管内視鏡検査で胃体上部に広範な胃粘膜下異所腺と0-IIa+IIc病変を認めた.生検の結果,Group 5(高分化型腺癌)と診断された.超音波内視鏡検査ではびまん性に粘膜下層に囊胞性病変を認め,癌の範囲診断および深達度診断は困難であった.CTでは明らかなリンパ節転移や遠隔転移は認めなかった.以上より,びまん性胃粘膜下異所腺(diffuse cystic malformation;以下,DCMと略記)に併発した胃癌と診断した.粘膜下異所腺が噴門近傍まで広がっていたことから,術式は腹腔鏡下胃全摘術を選択した.病理学的検索では,癌は固有筋層まで浸潤する進行癌であった.また,粘膜下異所腺周囲の線維化のため,癌の範囲診断が困難であったと考えられた.DCMに併発した胃癌については,時に術前の範囲診断や深達度診断が困難なことがあり,治療方針や切除範囲の決定には注意が必要であると考えた.</p>

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