ニボルマブ投与後に急性増悪したC型慢性肝炎の1例

  • 高橋 幸治
    千葉大学医学部附属病院消化器内科 水戸済生会総合病院消化器内科
  • 神田 達郎
    千葉大学医学部附属病院消化器内科 日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 中村 昌人
    千葉大学医学部附属病院消化器内科
  • 安井 伸
    千葉大学医学部附属病院消化器内科
  • 新井 誠人
    千葉大学医学部附属病院腫瘍内科
  • 加藤 直也
    千葉大学医学部附属病院消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Acutely exacerbated chronic hepatitis C after administration of nivolumab: A case report
  • 症例報告 ニボルマブ投与後に急性増悪したC型慢性肝炎の1例
  • ショウレイ ホウコク ニボルマブ トウヨ ゴ ニ キュウセイ ゾウアク シタ Cガタ マンセイ カンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>48歳,男性.C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus,HCV)抗体陽性を指摘されていたが,抗ウイルス療法を受けていなかった.HCV-RNAは陽性で,HCV genotypeは2a型であった.切除不能肺扁平上皮癌に対して,ニボルマブ(3 mg/kg)を2週ごとに3回投与した.3回目投与から2週間後に血中肝酵素の上昇を認めた.肝生検組織所見よりC型慢性肝炎の急性増悪(新犬山分類F1/A2)と診断し,ソホスブビル・リバビリン併用療法を12週間施行した.投与直後より肝機能改善がみられ,終了後24週での持続的ウイルス陰性化が得られた.その後肝機能異常は認めていない.抗PD-1抗体製剤をC型慢性肝炎患者に使用した際,肝炎の急性増悪をきたすことがあり,肝機能障害が起きた場合は速やかに肝生検の実施などを検討し,病態を鑑別することが重要であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 60 (12), 459-465, 2019-12-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (11)*注記

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