Risk Management of bath-related accidents: Why do they happen?

DOI
  • Kuroki Hisanaga
    Department of Medical Risk and Crisis Management, Faculty of Risk and Crisis Management, Chiba Institute of Science

Bibliographic Information

Other Title
  • 入浴事故の危機管理:なぜ、入浴事故が起こっているのか

Abstract

入浴中の急死は高齢者で大変多く、依然として、ヒートショックが原因であると思い込まれている。今回、入浴中の事故の原因を知るべく、大阪市消防局、大阪府監察医事務所、大阪市福祉局介護保険課の協力により、データを入手し疫学調査を行った。また、高齢者3,000名を対象に入浴に関するWebアンケート調査を行った。2011~15 年でCPA 以外の救急搬送例は188 例で、溺水に至らなかった熱中症48 名、溺水140 名であった。一方、浴槽内死亡は2,063 名であった。介護保険施設等での入浴中死亡は、介助付入浴で10 名(浴槽内5名、浴槽外5名)でいずれも死因が確実な内因性急死であった。通常の入浴では8 名が浴槽内で1 人入浴中に死亡発見された。病死の否定はできないが、熱中症による急死としても矛盾はなかった。ヒートショックのように入浴直後に急死した症例はゼロであった。アンケート調査では、11%が入浴中や入浴後の異変・事故を経験し、うち84%が熱中症の症状、ヒートショックととらえられる症状は高々7%であった。42℃以上の湯での30 分以上の全身浴では体温が3℃上昇する。そのため、誰もがⅢ度(重症)熱中症になり意識障害を生じる。その後も体温上昇が続くと、細胞崩壊による高カリウム血症により心室細動が生じ急死する。このメカニズムにより、浴槽内での急死のほとんどは熱中症で説明できる。また、高齢者の入浴事故の多くは熱中症で事故経験者は湯温を下げ、入浴時間も短くする人も少なくない。高齢者の入浴中の事故の大半は熱中症で説明できる。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390846609780056832
  • NII Article ID
    130007760563
  • DOI
    10.34402/simric.3.0_84
  • ISSN
    24328731
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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