免疫性血小板減少症を伴って発症した後天性血友病A

書誌事項

タイトル別名
  • Acquired hemophilia A accompanied by immune thrombocytopenia
  • 症例報告 免疫性血小板減少症を伴って発症した後天性血友病A
  • ショウレイ ホウコク メンエキセイ ケッショウバン ゲンショウショウ オ トモナッテ ハッショウ シタ コウテンセイ ケツユウビョウ A

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抄録

<p>72歳男性。血小板減少(0.5万/µl)と貧血で入院。骨髄検査では血小板付着像を欠く巨核球を認めた。さらにplatelet-associated IgG(PA-IgG)高値,H. pylori抗体陽性であった。以上から免疫性血小板減少症(ITP)と診断し,除菌療法,prednisolone(PSL)20 mg/日(0.5 mg/kg)およびthrombopoietin(TPO)受容体作動薬12.5 mg/日を開始した。治療途中で貧血の進行があり精査をしたところ,著明なAPTT延長が認められた。凝固第VIII因子活性(FVIII:C)低下とインヒビターが検出され,後天性血友病A(AHA)合併と診断した。広汎な筋肉内出血を来たしたが,免疫抑制療法の強化とrecombinant activated factor FVII(rFVIIa)による止血療法が奏効し止血が得られた。経過中,一時的にインヒビターが再出現したが,免疫抑制療法を継続し,発症後約1年間ITPとAHAの再燃は見られていない。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (11), 1567-1572, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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