地方中枢都市の持続的活性化のための自都市中心のネットワーク形成

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タイトル別名
  • Individual City-centered Networks for Sustainable Vitalization of Regional Hub Cities
  • チホウ チュウスウ トシ ノ ジゾクテキ カッセイカ ノ タメ ノ ジトシ チュウシン ノ ネットワーク ケイセイ

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抄録

<p>    地方中枢都市は1990年代後半に大きな転換点を迎えた.「支店経済のまち」と呼ばれた地方中枢都市においても支店の集積量が減少に転じ,しかもそれが社会の構造的変化に起因するものであった.それに加えて人口減少が予想される状況にあった.したがって,地方中枢都市が支店集積とは別の方向に持続的活性化の道を探さなければならなくなった.福岡市では,1980年代後半からスケールアップしたグローバリゼーションの進展のなかでアジアの交流拠点都市を将来像に描き,アジアの諸都市とのネットワークづくりを推し進めてきた.また,仙台市では,総合計画において「市民力」の概念で,都市に集う様々な主体が創造力および問題解決力を高めることを重点課題に位置づけ,都市の様々な主体の協働の必要性を説いた.これらの取組は,筆者がこれまでポスト成長社会の都市の持続的発展の方向として説いてきた「自都市中心のネットワーク」形成に相通ずる考え方である.支店集積により強化されてきたテリトリー制を伴った階層的都市間結合だけでなく,今後は,都市の様々な主体が都市内で相互に連携するとともに,都市に活力をもたらすアイディア・情報・資源・人が国内外の都市・地域間で相互交流する都市間結合を形成することである.そのためには都市の様々な主体が都市内外で形成するネットワークの実態把握と彼らが求める環境整備に関する調査が期待される.</p>

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