中枢神経系における排尿薬理機構の概説

  • 吉村 直樹
    ピッツバーグ大学 医学部 泌尿器科学
  • 橘田 岳也
    北海道大学大学院 医学研究院 腎泌尿器外科
  • 嘉手川 豪心
    株式会社サザンナイトラボラトリー
  • 宮里 実
    琉球大学大学院 医学研究科 システム生理学講座 琉球大学大学院 医学研究科 腎泌尿器外科学講座
  • 清水 孝洋
    高知大学 医学部 薬理学

書誌事項

タイトル別名
  • Overview of pharmacological mechanisms controlling micturition in the central nervous system
  • チュウスウ シンケイケイ ニ オケル ハイニョウ ヤクリ キコウ ノ ガイセツ

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抄録

<p>膀胱と尿道からなる下部尿路は蓄尿と尿排出の二つの相反する機能を司り,その機能は,末梢神経だけでなく中枢神経路を介して複雑にコントロールされている.まず,蓄尿時の調節は,主に脊髄レベルの反射によって制御され,交感神経(下腹神経),体性神経(陰部神経)の興奮によって膀胱の弛緩と尿道の収縮が引き起こされる.そして,尿排出時には,脊髄から脳幹の橋排尿中枢を経由する反射経路が活性化され,副交感神経(骨盤神経)の興奮によって排尿が起こる.そして,これらの末梢神経の働きは,脊髄より上位の中枢神経によって複雑に制御され,随意のコントロールが可能となる.そして中枢での神経伝達物質としてドパミン,セロトニン,ノルエピネフリン,GABA,グルタミン酸などが排尿のコントロールに関与しており,末梢だけでなく,中枢神経路の変性疾患や外傷による障害および薬物投与が,頻尿,尿失禁,尿排出力低下などの下部尿路機能障害を引き起こす.</p>

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