脳卒中患者に対する歩行神経筋電気刺激装置ウォークエイドと足漕ぎ車椅子併用による歩行能力への影響

DOI
  • 関 仁志
    公益社団法人群馬県医師会群馬リハビリテーション病院

抄録

<p>【目的】足漕ぎ車椅子による下肢のペダリング運動が、歩行のためのcentral pattern generator(以下CPG)の賦活をもたらす可能性がある。(関和則:2006)、機能的電気刺激(以下FES)の効果として、末梢神経を電気的に刺激することで筋収縮を促す事や筋収縮に伴う求心性の感覚入力による神経経路の改善が見込まれる。今回はウォークエイド(以下WA)と足漕ぎ車椅子の併用により、脳卒中患者の歩行能力に関わる効果を検証した。</p><p>【方法】対象は当院回復期入院の脳梗塞3名。(内訳は男性3名、歩行自立2名・見守り1名、平均年齢77.0±10.5、発症から介入までの日数48±32.9日、下肢Brunnstrom stage(以下BRS)Ⅴ2名、Ⅳ1名)。研究デザインはBAB 型。介入期B1(運動療法に加えWA+ 足漕ぎ車椅子併用10分)、非介入期A(運動療法に加え足漕ぎ車椅子使用10分)、介入期B2(運動療法に加えWA+ 足漕ぎ車椅子併用10分)各期を5日間とし、15日間行った。介入初日、各期終了時に10m通常・最大歩行速度を測定し、各期の上昇率を右記の式により求め(各期測定値/最終測定値×100)、各期毎の差を求めた。また初期と最終でBRS・足関節背屈関節可動域(自動運動)・Modified Ashworth Scale(以下MAS)を測定した。</p><p>【倫理的配慮】対象者にはヘルシンキ宣言に基づき研究の目的および内容を説明し、本研究参加の同意を得た。</p><p>【結果・考察】通常・最大歩行速度の上昇率はA期に比べB1.B2期で高かった。(通常歩行速度:B1期7.7%、A 期3.8%、B2期7.8%、最大歩行速度:B1期6.2%、A期−6.4%、B2期7.6%)BRS、MAS、足関節背屈関節可動域では変化はみられなかった。併用する効果はCPGの賦活・筋収縮を促す事により、歩行速度の向上が期待できると考える。</p><p>【まとめ】WAを併用した足漕ぎ車椅子によるペダリング運動は歩行速度向上に寄与する結果となった。今後の課題として症例数増加、様々な歩行レベルの症例に対し、効果の比較・検証をしていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184860772864
  • NII論文ID
    130007779486
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_o-016
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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