骨盤骨折患者における身体機能の術後変化〜術後3 ヶ月が経過した2症例の報告〜

DOI
  • 佐々木 健人
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 鈴木 壽彦
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 桂田 功一
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 石橋 香里
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 川嶋 実里
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 平野 健大
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 山田 健治
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 木下 一雄
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 樋口 謙次
    東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
  • 稲垣 直哉
    東京慈恵会医科大学附属柏病院整形外科

抄録

<p>【はじめに】当院において骨盤骨折患者に対し,固定術後早期から理学療法を実施しているが,先行研究において身体機能変化の報告は少なく,体幹機能の変化に着目した報告は狩猟されない.今回,寛骨臼骨折患者2例の治療経過における身体機能変化について体幹機能に着目し報告する.</p><p>【症例紹介】症例①(20歳代)は転倒により受傷し観血的整復固定術を施行され,症例②(50歳代)は転落により受傷し経皮的整復固定術を施行された.2例とも受傷側は左であった.後療法は術後1週より車椅子乗車が開始され,部分荷重開始は症例①が術後6週,症例②が術後4週であった.術後翌日から理学療法が開始され,ROMex,筋力ex,神経筋電気刺激療法,荷重練習,歩行練習を実施した.2例とも術後3週で自宅退院し,退院後は週1回の通院による理学療法を継続した.尚,両患者に本発表の意義と目的を口頭にて説明し同意を得た.</p><p>【評価・結果】端座位自立時,術後3 ヵ月で,股関節屈曲・外転筋力,重心動揺計による座位・片脚立位時の重心移動距離,基本動作能力の評価を実施した.2例ともに術後3 ヵ月の経過で股関節周囲筋力,片脚立位バランス,歩行能力が向上した.加えて体幹機能の指標である座位側方リーチ動作時の重心移動距離(右/左)は,症例①で端座位自立時に8.6cm/19.9cmであったが術後3 ヵ月には25.6cm/27.2cmまで向上した.また症例②では15.0cm/19.6cmから27.5cm/28.8cmまで向上した.加えて症例①は全荷重開始時に片脚立位にてT-signが生じていたが,術後3 ヶ月ではsignが消失し独歩自立,症例②は術後8週で独歩自立となった.</p><p>【考察】理学療法経過において,筋力や歩行能力の向上を認め,過去の報告と同様の結果を得た.また術後早期では骨盤骨折による構造上の破綻により下肢機能のみならず体幹機能の低下が惹起されるが,術後3 ヵ月では座位側方重心移動距離が向上しており,体幹機能の向上を確認した.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390283659837503104
  • NII論文ID
    130007779662
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_p-041
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ