顧客に選ばれる港湾の競争力(後編):北九州港の将来像

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Abstract

北九州港は100 年を超える歴史を持つ日本の名門港であるが,法規制や慣行による荷役勤務の制 限や港湾労働者の派遣規制および港湾労働者の賃金高などによって港湾競争力は低下(港運会社お よび行政の収益が減少)している。このため,門司港の港運関係者はこれまでに日本で初めてとい う様々な改革・改善(共同荷役や港湾情報システム)を実施してきた。成果は上がっているが,ま だ不十分であり,これからさらに改革・改善を加速する必要がある。 前編で述べたように,北九州港の抜港(寄港の取り止め)や中国地方(日本)からの集荷率の下 落といった問題が発生している。北九州港は,その独自戦略(コンパクト性の活用,コストとリー ドタイムの改善,共同荷役・情報システムの進展,物流ネットワークやシームレス物流の改革,産 業と物流の融合など)の高度化を加速する必要がある。そのためには,国内他港や釜山港の成功事 例なども参考にしながら,政労使協調と自助努力によって,近隣港と同等以上に,顧客に選ばれる 使い易い港にしなければならない。 その結果,独自戦略による港湾競争力を高めることができ,北部九州山口地域と韓国・釜山地域 との戦略的互恵関係の構築が可能となる。さらには,東アジアそして世界の港湾物流拠点を目指す べきである。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390565134814872832
  • NII Article ID
    130007783146
  • DOI
    10.20787/agishiten.27.1_31
  • ISSN
    1348091X
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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