分析走査電子顕微鏡を用いた硬組織の石灰化の進行と成熟過程の検討

  • 笹野 泰之
    東北大学 大学院歯学研究科 顎口腔組織発生学分野
  • 中村 恵
    東北大学 大学院歯学研究科 顎口腔組織発生学分野
  • 逸見 晶子
    東北大学 大学院歯学研究科 顎口腔組織発生学分野
  • 大方 広志
    東北大学 大学院歯学研究科 顎口腔組織発生学分野
  • 真柳 みゆき
    東北大学 大学院歯学研究科 顎口腔組織発生学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Propagation and Maturation of Calcification in Bones and Teeth Demonstrated by Analytical Scanning Electron Microscopy
  • ブンセキ ソウサ デンシ ケンビキョウ オ モチイタ コウソシキ ノ セッカイカ ノ シンコウ ト セイジュク カテイ ノ ケントウ

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抄録

<p>私たちは,歯と骨の発生と修復に伴う石灰化に関して,硬組織の構成元素の分布と濃度の動態を分析走査電子顕微鏡(SEM-EDX)で可視化し,研究を進めてきた.エナメル質と象牙質の発生過程に関する研究では,ラット切歯の萌出過程を利用し,石灰化の進行と成熟をSEM-EDXを用いてカルシウム,リンおよび炭素の分布と濃度を可視化して調べた.骨の発生過程については,胎生期および生後成長期のラットの下顎骨と頭蓋骨をSEM-EDXで同様に検討した.また,骨の修復過程については,ラット頭頂骨規格化骨欠損実験系で形成される修復骨の石灰化過程をマイクロCTとSEM-EDXを用いて解析した.構成元素の分布と濃度を可視化することで,硬組織の発生と修復に伴い,カルシウムとリンの分布が拡大し濃度が上昇する一方で,有機質の指標である炭素の濃度が低下することが示された.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 54 (3), 144-148, 2019-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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