変異頻度に基づくがんゲノムデータの新規クラスタリング手法とその臨床応用

DOI
  • 凌 一葦
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 バイオインフォーマティクス分野
  • 渡辺 由
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 バイオインフォーマティクス分野
  • 永橋 昌幸
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野
  • 島田 能史
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野
  • 市川 寛
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野
  • 若井 俊文
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野
  • 奥田 修二郎
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科 バイオインフォーマティクス分野

書誌事項

タイトル別名
  • Mutation Frequency Based Novel Clustering Method for Cancer Genome Data

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抄録

<p> クリニカルシーケンス技術が臨床医学領域で普及しつつある.その中でも,がんゲノムデータを用いた遺伝子異常の解析はがん発症メカニズムの解明と個別化医療の実現に重要な役割を担っている.しかしながら,現在,遺伝子変異を元に分子標的薬によるがん治療方針の判断を効率的に実施する手段は存在しない.そこで,本研究では,異なる遺伝子変異を持つがん患者コホートを変異頻度の高い特異的な遺伝子変異のパターンでクラスターに分類することで,分子標的薬の効率的な選別を可能にする新規クラスタリング手法を開発した.約400のターゲットシーケンス遺伝子に加え,分子標的薬のターゲットになる治療効果が期待される遺伝子でのクラスタリングを実施した.その結果,APCやKRASなど大腸がんに特徴的な変異遺伝子をもつクラスターを分けることに成功した.また,日米での承認薬のターゲット遺伝子に注目したクラスタリング結果の比較から分子標的薬を中心とした治療方針決定にとって最新のがんゲノム知識ベースの必要性が確認された.</p>

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 38 (5), 305-312, 2018-12-28

    一般社団法人 日本医療情報学会

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