書誌事項
- タイトル別名
-
- Latest anti-fibrotic therapies for chronic liver diseases
この論文をさがす
抄録
<p>肝線維化は,慢性的に繰り返し発生する細胞傷害に呼応して肝臓内に過剰な結合組織が蓄積することに由来する,組織の瘢痕化を反映する.その終末像である肝硬変では肝機能不全や門脈圧亢進症,さらには高頻度に肝細胞癌を合併する.しかし,肝線維症はいまだ有効な治療法が確立されておらず,重症化した場合の根本的治療法は肝移植に限られる.肝線維化の病態生理に関する研究は,その中心的な役割を担う肝星細胞の活性化機序やコラーゲン産生と分解の制御機構の解明が進み,この数十年で飛躍的な進歩を遂げた.本稿では,肝線維化研究の現状を概説するとともに,新規抗線維化治療法の開発に向けた今後の展望に言及する.</p>
収録刊行物
-
- 日本消化器病学会雑誌
-
日本消化器病学会雑誌 117 (1), 52-63, 2020-01-10
一般財団法人 日本消化器病学会