Gitとブロックチェーンを用いる文書管理方法の考察に基づく提案

DOI
  • 池田 大地
    神奈川大学大学院工学研究科所属
  • 森田 光
    神奈川大学大学院工学研究科所属 情報ネットワーク法学会会員

書誌事項

タイトル別名
  • A Proposal Based on Consideration about a Document-Management Scheme by Using Git and Blockchain Methods

抄録

<p>日本の森友学園問題をはじめとして、公的機関による決定事項に対する疑惑に注目が集まっている。関係者が、事実を隠蔽したり、他者の認識をミスリードするために改ざんをするようでは、根本解決に向けての議論ができないばかりか、社会の浄化作用を機能不全に陥らせることが懸念される。</p><p>これに対して、著者らは、不正や疑惑が出れば、その事実を解明するため、過去の事実に遡るための手段が重要であるとの立場から研究してきた。遡って事実の解明ができるならば、不正抑止にもなり得るからだ。</p><p>本稿では、事実の定義、文書管理機能、改ざん防止機能の三点から考察し検討を加えた。特に、第一項の「事実の定義」は核心部分であり、簡便に事実から情報の形に生成し、事実に関係付けられる情報同士を相互参照することで、疑惑や不正の因果関係を検証することができるようにするものである。第二項は定義された事実を情報として保存する文書管理機能のことを示す。特に、文書保存ができれば十分な機能であるが、象徴的な意味でGitという名称を用い、Gitのトランスペアレント(透明)で文書の加筆訂正などの更新や削除などバージョン毎の相互参照性可能なモデルの機能のことを意味する。また、第三項は改ざん防止機能であり、情報セキュリティを守ると根幹部分を示す。ここでは、他にも類似するモデルは多く存在するけれど、いろいろな実装が進んでいるためブロックチェーンの実装を使う場合を想定して議論する。文書改ざん防止機能を果たすものには、他にもブロックチェーンの源流のマークルツリー[7]などモデルが多く存在する。以上の三機能から文書管理の仕組みを構築できる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390283659840019072
  • NII論文ID
    130007786228
  • DOI
    10.34374/inlaw.18.0_62
  • ISSN
    24350303
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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