PPI長期内服とSIBOとの関連

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抄録

<p>【背景】 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は広く臨床に用いられている。一方、近年PPIと様々な疾患発症との関連が報告されている。PPI長期内服とSIBOとの関連については議論の多いところである。</p><p>【目的】 当科でSIBO診断目的にて水素呼気試験を行った症例における内服薬との関連を調査した。</p><p>【方法】 2010年から2013年に水素呼気試験を行った120例中、ラクツロース水素呼気試験(LHBT)を施行した94例(PPI内服50例、H2RA内服14例、非内服コントロール30例)を対象とした。LHBT陽性の定義は様々な基準(1. 水素上昇 ≥ 10ppm/90min 2. 水素上昇 ≥ 10ppm/180min 3. 水素上昇 ≥20ppm/90min 4. 水素上昇 ≥ 20ppm/180min 5. 水素上昇ダブルピーク 6. メタン上昇 ≥ 15ppm/180min)により判定した。一部のSIBO症例はLactobacillus casei投与後にもLHBTを行った。</p><p>【結果】 LHBT陽性率は3群間で有意差はなく、多変量解析においてもPPI内服は有意なリスクではなかった。食後膨満感がPPI内服群で46%と高かったが、LHBT陽性とは関連を認めなかった。Probiotics投与した9例中4例(44%)はLHBT陰性化となり、呼気水素ピーク値も有意に低下した。</p><p>【結語】 LHBTを用いた検討ではPPI長期内服とSIBOとの明らかな関連は認めなかった。</p>

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