中型の大腸ポリープに対する水浸下EMR対従来法EMRの比較
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- 小野 尚子
- 北海道大学 消化器内科
書誌事項
- タイトル別名
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- Comparison of Underwater vs Conventional Endoscopic Mucosal Resection of Intermediate-Size Colorectal Polyps<sup> 1)</sup>.
抄録
<p>【背景と目的】大腸ポリープの切除法として粘膜下局注を行う内視鏡的粘膜切除術(以下EMR)は確立された手技であるが,10mmを越える大きさのポリープでは一括切除率が低下する.分割切除になると局所再発リスクは高くなる.無茎性大腸ポリープの有効な治療法である水浸下EMR(UEMR)について,従来のEMR(CEMR)に対する優越性を調査した.</p><p>【方法】日本の5施設による多施設ランダム化試験を行った.10-20mm大の無茎性大腸ポリープを有する患者が無作為にUEMR群とCEMR群に振り分けられた.最も近位側にある病変のみが対象とされ,UEMRでは腸管内に水を充満し粘膜下局注なしに切除された.UEMR群108個のポリープとCEMR群102個のポリープが解析された.R0切除は組織学的に断端陰性の一括切除と定義され,プライマリーエンドポイントは両群間でのR0切除率の差とされた.</p><p>【結果】R0切除率はUEMR群で69%(95%CI:59%-77%),CEMR群で50%(95%CI:40%-60%)(P=.011)で,一括切除率はUEMR群で89%(95%CI:81%-94%),CEMR群で75%(95%CI:65%-83%)(P=.007)と有意にUEMR群の手術成績が良好であった.治療時間の中央値および合併症発生率には両群で差がなかった.</p><p>【結語】多施設無作為化試験の結果から,10-20mmの無茎性大腸ポリープに対してはCEMRよりも明らかにR0切除率が高いUEMRが推奨される.(UMIN000018989).</p>
収録刊行物
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- 日本消化器内視鏡学会雑誌
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日本消化器内視鏡学会雑誌 62 (1), 101-101, 2020
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390283659841172736
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- NII論文ID
- 130007787574
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- ISSN
- 18845738
- 03871207
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可