小学生における立位姿勢と歩数との関係

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タイトル別名
  • The relationship of number of steps on standing posture in elementary school student
  • ―A report of second grade―
  • -2年生の場合-

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抄録

<p> 近年,子どもの立位姿勢の歪みや歩行動作のおかしさなど「子どもの体のおかしさ」問題が指摘されている.これには,1日あたりの身体活動量の低下が関係しているものと考えられている.これまで著者らも小学校3~6年生の児童を対象に,1日あたりの平均歩数と立位姿勢との関係を検討し,1日8000歩以上の身体活動量を担保している子どもよりもそうでない子どもの方が立位姿勢に乱れが認められた.本研究では,小学校2年生の子どもを対象に,1日あたりの平均歩数と立位姿勢との関係を検討した.以下,その結果について述べる.</p><p> 1日あたりの平均歩数と立位姿勢との関係を検討した結果,先行研究の結果とは異なり,1日8000歩以上の歩数を有した子どもとそれ以下の子どもとの間に立位姿勢の評価得点に差が認められなかった.上述した結果には,今回の結果に個人のもつ前提条件の影響が一つ考えられた.すなわち,1日8000歩以上の歩数を有した子どもの中に1日の歩数が8000歩以下の子どもたちよりも顕著に「肩峰角度」が低値にあった女子児童が5名認められた.とりわけ,3名の女子児童についてはゲームの実施やスマートフォンの操作をほぼ毎日椅子やソファに座った状態で実施するといった特徴を有していた.これらより,1日あたりの平均歩数(身体活動量)の量と立位姿勢の良し悪しは3年生前後から相関関係になってくることから,2年生以下でも一定の身体活動量の担保は必要であるものと考えられる.しかしながら,それ以上に生活習慣のあり方が立位姿勢の乱れと大きく関係してくる可能性の方が高いものと推定できた.一方,幼児や低学年の子どもは運動量と立位姿勢とがほとんど関係しない可能性も否定はできない.今後,さらに検討する必要がある.</p>

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