伝統的家屋と住民の意識

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タイトル別名
  • Traditional landscape and residents: A case study of Higashihiroshima
  • 伝統的家屋と住民の意識 : 広島県東広島市における住宅景観を事例に
  • デントウテキ カオク ト ジュウミン ノ イシキ : ヒロシマケン ヒガシヒロシマシ ニ オケル ジュウタク ケイカン オ ジレイ ニ

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抄録

<p>本研究は,広島県東広島市を事例に,伝統的家屋の存在する文化的景観の現状分析および住民の景観に対する意識について明らかにした.</p><p>東広島市は赤茶色の瓦を載せた白壁の民家が点在する独特な景観を有するが,大学や工場団地の進出に伴い近年急激に市街地化が進行し,市内の景観は大きく変化しきている.本研究では,東広島市のなかでも特に景観の変化が顕著である西条町下見の一部地域を取り上げ,その住宅景観の分析と住民への聞き取り調査を行った.</p><p>本市では景観形成についての具体的な方策が打ち立てられていないため,近年は伝統的家屋とは異なる様式の住宅が増加し,建築様式の混在に伴って色彩や屋根形状,住宅外構も多様化しまとまりに欠ける住宅景観が形成されつつある.聞き取り調査からは,文化的景観に対して「好ましい」という回答が主流であった一方,自らの住宅を含んだ住宅景観の形成に関しては認識が薄く,また住宅の建築時期や建築様式への志向性によって意識の違いが生じていることが明らかになった.今後,いかにして自らが景観形成の主体であるという認識を住民にもってもらうかが課題である.</p>

収録刊行物

  • 都市地理学

    都市地理学 13 (0), 125-137, 2018

    日本都市地理学会

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