根尖性歯周炎の免疫学と治療抵抗性に対する新規歯内療法開発への課題
書誌事項
- タイトル別名
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- Endodontic immunology and future therapeutic strategy for the therapy—Resistance apical periodontitis—
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抄録
<p>抄 録 : 根尖性歯周炎は, 口腔内からの細菌感染を主因とする歯根尖端の歯周組織破壊を伴う炎症性疾患である. 根尖性歯周炎の治療成功率は, 根管形成技法に加えて化学的洗浄技術の改良により飛躍的に向上した. しかし解剖学的な根管系の複雑さから, 根管内を完全に無菌化することは困難であるため, 初回治療および再治療の成功率はおのおの90%および70%以下に留まっている. 同治療が奏功しない場合は根尖病変の外科的切除と逆根管治療を施すことにより90%以上のケースが改善される. しかし, 循環器疾患, 自己免疫疾患, 内分泌疾患などの全身の炎症を伴うケースでは標準治療が奏功しない治療抵抗性になることが報告されている. 実際に自己免疫疾患の治療ガイドラインにおいて根尖性歯周炎が増悪化因子として挙げられているが, これらの疾患は外科処置の適用が困難なケースや標準治療が奏功しないケースが多い. また治療抵抗性の根尖性歯周炎は, 本邦においてすでに迎えている超高齢社会において増加が予測されている. 根尖性歯周炎の免疫学的な理解は治療抵抗性を引き起こす原因究明に必須であり, 将来的には歯周組織崩壊を抗炎症治療法で抑制して早期に治癒を促す新規治療方法の開発に貢献することが期待される.</p>
収録刊行物
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- 日本歯内療法学会雑誌
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日本歯内療法学会雑誌 41 (1), 8-15, 2020
一般社団法人 日本歯内療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390002184875518976
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- NII論文ID
- 130007798502
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- ISSN
- 24239429
- 13478672
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可