過剰水蒸気条件下での褐炭ガス化により生成する合成ガス中のタールの分析

  • 村上 高広
    (国研)産業技術総合研究所 創エネルギー研究部門
  • 安田 肇
    (国研)産業技術総合研究所 創エネルギー研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Tar in Syngas Generated by Lignite Gasification under Conditions of Excess Steam

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抄録

<p>燃料をガス化させて合成ガスに変換し,発電や水素など広範に利用できるガス化技術が注目されている。二塔式流動層ガス化炉では,燃料を水蒸気によりガス化させる。ただし,1073~1173 Kで運転するため,合成ガス中にタールが生成し,触媒改質塔のようなタール処理塔が必要となる。その最適な設計にはタールの成分を明らかにすることが重要である。本研究では,実験室規模の流動層ガス化装置により,埋蔵量が豊富な褐炭を1123 Kでガス化させ,供給する水蒸気量を広範に変化させた場合のタールの成分を明らかにすることを目的とした。結果として,水蒸気供給量が増加するにつれ,改質効果によりタール濃度は減少した。また,運転中の水素や一酸化炭素のガス分析結果から,ガス化炉へ供給する水蒸気量により得られる合成ガス中のタール濃度をリアルタイムに予測する手法を提示した。タール成分においては,ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)や電界脱離質量分析(FD-MS)など複数の分析装置を組み合わせて解析した結果,主成分は置換基のない多環芳香族炭化水素からなることが分かった。水蒸気を化学量論的ガス化に要する量の3倍まで過剰に与えても,その成分に大きな変化はないことを明らかにした。</p>

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