アフリカの「三選問題」――ブルンジ、ルワンダ、コンゴ共和国の事例から――

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タイトル別名
  • Extending the Presidential Term: Comparison between Burundi, Rwanda, and Republic of the Congo

抄録

<p>ブルンジ、ルワンダ、コンゴ共和国では、いずれも2015年に大統領の三選禁止規定が変更されたが、その影響は大きく異なった。ブルンジでは激しい抗議活動と弾圧によって政治が著しく混乱したのに対し、コンゴでは抗議活動はほぼ封じ込められ、ルワンダでは抗議活動すら起こらなかった。抗議活動の強弱は、反政府勢力の組織力に依存する。ルワンダとコンゴでは、1990年代の内戦に勝利した武装勢力が政権を握り、国内に強力な反政府組織が存在しないうえ、経済的資源の分配を通じて反対派を懐柔できた。一方、国際社会の仲介によって内戦が終結したブルンジでは、権力分有制度のために反政府勢力が強い影響力を保持し、また反対派を懐柔するための資源も乏しかった。「三選問題」が示すのは、民主的な政治制度を採用しつつそれを形骸化させる政権の姿勢だが、それは冷戦後のアフリカで形成された政治秩序の一つの類型でもある。</p>

収録刊行物

  • アフリカレポート

    アフリカレポート 54 (0), 73-84, 2016-07-25

    独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390565134834481664
  • NII論文ID
    130007808096
  • DOI
    10.24765/africareport.54.0_73
  • ISSN
    21883238
    09115552
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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