上半規管裂隙症候群の術後聴力経過
書誌事項
- タイトル別名
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- Progress in hearing function after capping surgery for superior semicircular canal dehiscence syndrome
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抄録
<p>上半規管裂隙症候群(Superior canal dehiscence syndrome; SCDS)は上半規管を覆う頭蓋骨が欠損するために圧変化や強大音により誘発されるめまい,自声強調,耳閉塞感などの臨床症状を呈する病態である.聴力検査での低周波域の気骨導差や前庭誘発筋電位での振幅増大や閾値低下が特徴的な検査所見である.CTでの裂隙の確認が重要であるが,裂隙が存在しても症状がない場合もあり,その病態は必ずしも明確ではない.今回,手術治療を行ったSCDS 4症例における術後の聴力推移を検討した.中頭蓋窩法による裂隙閉鎖術により,術前みられた前庭誘発筋電位の左右差は術後1か月で軽快したが,術後1年以上経過後の聴力検査においても低周波域の気骨導差は4例中2例で残存していた.一方,自声強聴や圧負荷による誘発性めまいは4例とも術直後から消失したが,耳閉塞感や耳鳴が一部残存した.SCDSの症状発現には第3の窓仮説だけでは説明できない病態として,軽度の内耳障害などが存在している可能性があると思われた.</p>
収録刊行物
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- Otology Japan
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Otology Japan 29 (3), 252-257, 2019
一般社団法人 日本耳科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390002184886716416
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- NII論文ID
- 130007815582
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- ISSN
- 18841457
- 09172025
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可