イギリスにおける政府・平議員間の政策調整
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- 奥 健太郎
- 東海大学政治経済学部教授
書誌事項
- タイトル別名
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- Was Ruling Party’s Unity Secured without Considering Backbenchers’ Ideas in Britain?
- ―第二次大戦後から1970年代までを対象として―
抄録
<p>近年の日本では、日本の自民党政権では政策決定が内閣と与党に「二元化」されているのに対し、イギリスでは内閣に「一元化」されているとの見方が広く受容されている。本稿はこのような典型的なイギリス理解に修正を加えることを目的としたものである。</p><p>そのために本稿が光を当てるのがイギリスの二大政党に設置された党内委員会である。本稿は第一に党内委員会が設置された歴史的経緯を検証し、第二に保守党と労働党の党内委員会の影響力に差が生じた要因を考察した。第三に保守党の農業委員会を事例として、党内委員会の影響力とその機能を明らかにした。本稿は、以上のイギリス政治の検証を通じ、イギリスの政策決定が内閣に「一元化」されていると表現することは、ミスリーディングであることを指摘した。また保守党と労働党の党内委員会の比較からは、日本の自民党政権における事前審査制の形成に、首相(党首)の持つ資源の少なさが影響していることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 比較政治研究
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比較政治研究 6 (0), 1-22, 2020
日本比較政治学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390002184885778560
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- NII論文ID
- 130007817550
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- ISSN
- 21890552
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可