神奈川県厚木市中荻野地区で捕獲されたアフリカツメガエルとウシガエルの胃内容物について

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タイトル別名
  • Diet of <i>Xenopus laevis</i> and <i>Lithobates catesbeianus</i> Trapped in Nakaogino Area, Atsugi, Kanagawa Prefecture, Japan

抄録

神奈川県厚木市中荻野に位置する「あつぎこどもの森」の開園に先立ち、廃田を利用して造設されたため池、及び周辺の水系において、外来種であるアフリカツメガエル及びウシガエルが2015 年より確認されるようになった。同池はオツネントンボやヨツボシトンボなど、希少なトンボ類の定着が確認されており、在来種の保全上重要な環境である。そこで、両外来種が在来種に及ぼす直接的な影響を明らかにするため、同池で捕獲された両外来種の胃内容物の調査を行った。その結果、アフリカツメガエルは主に水生動物を捕食しており、半分以上が水生の節足動物であり、中でもヤゴの割合が高いことが明らかになった。また、神奈川県において絶滅危惧IB のホトケドジョウの捕食も確認された。一方ウシガエルは、多様な節足動物を捕食しており、その半分以上が陸生種であった。全体の割合は低いものの、捕食された水生の節足動物の中でヤゴが占める割合が最も高かった。懸念されていたオツネントンボの捕食被害は、限られた期間に捕獲された今回の個体群からは確認されなかったが、本調査地域のように人工的かつ小規模な池は、在来の生物の逃げ場が少ないことから、外来生物による捕食圧は脅威となる可能性がある。アフリカツメガエルおよび、ウシガエルの侵入は継続しているので、希少種保全のためには今後も同地域での外来種管理を継続する必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184889870464
  • NII論文ID
    130007822484
  • DOI
    10.32225/bkpmnh.2020.49_85
  • ISSN
    21896720
    04531906
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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