子宮肉腫と子宮筋腫を鑑別する際に有効なMRI画像所見の検討

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タイトル別名
  • Usefulness of Magnetic Resonance Imaging (MRI)findings to distinguish between uterine sarcomas and uterine leiomyomas
  • 症例報告 子宮肉腫と子宮筋腫を鑑別する際に有効なMRI画像所見の検討
  • ショウレイ ホウコク シキュウ ニクシュ ト シキュウ キンシュ オ カンベツ スル サイ ニ ユウコウ ナ MRI ガゾウ ショケン ノ ケントウ

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抄録

<p>子宮肉腫と子宮筋腫を術前に鑑別することは困難である.今回,術前診断に有効と思われるMRI所見を検討し,その有用性を検討した.子宮肉腫を疑う特徴的な所見として,(1) T1強調像での高信号域,(2)腫瘍と周辺組織の境界不明瞭,(3)拡散強調像での高信号,(4)著明な造影効果の4項目に着目し,後方視的に有用性を検討した.2012年4月から2018年7月の間に術前に造影MRI検査を施行し,術前診断が子宮肉腫もしくは子宮筋腫として手術を施行した159例を対象とした.術前診断が子宮肉腫であった症例は17例,術前診断が子宮筋腫であった症例は142例であった.最終診断が子宮肉腫であった症例は10例,子宮筋腫であった症例は149例であった.(1)の所見は子宮肉腫,子宮筋腫それぞれにおいて90.0%(9例/10例),15.4%(23例/149例)で認め,同様に(2)の所見は60.0%(6例/10例),2.0%(3例/149例),(3)の所見は100%(10例/10例),33.6%(50例/149例),(4)の所見は60.0%(6例/10例),18.1%(27例/149例)で認め,子宮肉腫では平均3.1項目,子宮筋腫では平均0.63項目を認めた.造影MRI検査にて周囲への浸潤像を認める症例,または,特徴的所見を3項目以上満たす症例は悪性である可能性が高く,術前診断に有用な所見と考えられた.〔産婦の進歩72(1):14-20,2020(令和2年2月)〕</p>

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