家庭常備薬「正露丸」の大量内服により意識障害と肝障害をきたした1例

DOI
  • 村田 健介
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 岡本 健
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 池上 さや
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 川崎 喬彬
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 唐津 進輔
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 近藤 豊
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 松田 繁
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
  • 田中 裕
    順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科

書誌事項

タイトル別名
  • Wood creosote poison caused by overdosing of an over-the-counter drug : Case report

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抄録

<p>家庭常備薬の「正露丸」を200錠内服し, 木クレオソート中毒に至った1例を経験した。症例は67歳の女性で, 原因不明の意識障害で当院に救急搬送された。意識レベルはGlasgow Coma Scale E3V1M4であり, 気管挿管し入院とした。CTや血液生化学検査で明らかな意識障害の原因は断定できなかった。第2病日に意識が改善し, 入院前日に下痢症状に対して正露丸を200錠内服したことが判明した。第5病日をピークとした軽度の肝逸脱酵素の上昇が出現したが改善し, 第6病日に精神科に転科となった。正露丸は日本において家庭常備薬の下痢止めとして長年親しまれている薬である。その主成分は木クレオソートであり, 大量内服症例では木クレオソートに含まれる少量のフェノールによる嘔吐や血圧低下, 意識障害, 遅発性肝障害等の症状が出ることがあり注意が必要である。</p>

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