小児の心因性発熱 (機能性高体温症) の診断と治療

  • 岡田 あゆみ
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学 岡山大学病院小児医療センター小児心身医療科

書誌事項

タイトル別名
  • A Diagnosis and Treatment of the Psychogenic Fever (Functional Hyperthermia) of Children : About Neurodevelopmental Disorders as Comorbidity
  • 小児の心因性発熱(機能性高体温症)の診断と治療 : 神経発達症との関連について
  • ショウニ ノ シンインセイ ハツネツ(キノウセイ コウタイオンショウ)ノ シンダン ト チリョウ : シンケイ ハッタツショウ ト ノ カンレン ニ ツイテ
  • —神経発達症との関連について—

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抄録

<p>発熱は小児科領域で頻度が高い症状で, さまざまな身体疾患が原因となるが, 心理社会的ストレスもその一因となることがある. 一般に, 発熱以外に随伴症状や炎症所見がなく, 特定の状況や誘因で発熱を認める場合や, 慢性の心理社会的ストレスの影響が推定される場合に 「心因性発熱」 と診断され, 10代や若年成人に多いといわれている. </p><p>小児では, 本人が心理社会的ストレス因に自覚のない場合やうまく言語化できない場合, 心因が明らかにならず診断に苦慮することもある. また, 親子が身体疾患を危惧している場合や診断を受け入れられない場合, ドクターショッピングに陥ることもあるので注意を要する. </p><p>治療は, 生活指導や心理療法, 薬物療法などが行われるが, 小児の場合は環境調整が重要となる. 学校などの集団生活では, 有熱時の対応の目安が求められるなど, 小児期特有の課題もある. また, 併存症への配慮も必要で, 神経発達症特に自閉スペクトラム症には注意する. 本稿では, 小児の心因性発熱の診療と対応上の注意点を述べる. </p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 60 (3), 217-226, 2020

    一般社団法人 日本心身医学会

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