炭素繊維強化複合材料用新規熱硬化性マトリックス樹脂の創製 およびその分子設計

  • 木村 肇
    大阪産業技術研究所 森之宮センター有機材料研究部
  • 大塚 恵子
    大阪産業技術研究所 森之宮センター有機材料研究部
  • 米川 盛生
    大阪産業技術研究所 森之宮センター有機材料研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Creation of Novel Thermosetting Matrix Resin for Carbon Fiber Reinforced Composite Material and its Molecular Design
  • タンソ センイ キョウカ フクゴウ ザイリョウヨウ シンキ ネツ コウカセイ マトリックス ジュシ ノ ソウセイ オヨビ ソノ ブンシ セッケイ

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抄録

<p>フェニルエチニルカルボニル基を有する酸無水物を硬化剤として,ビスフェノールA 型エポキシ樹脂の硬化挙動および硬化物の特性について検討した。その結果,酸無水物基とエポキシ基の反応が100 ~120 ℃付近で先に進行し,その後250 ~300 ℃前後でフェニルエチニルカルボニル基同士の反応が進行することが分かった。硬化物の特性を検討した結果,フェニルエチニルカルボニル基を有する酸無水物で硬化したエポキシ樹脂は非常に優れた耐熱性および耐熱分解性を示すことが分かった。これらの優れた熱的性質は,フェニルエチニルカルボニル基の重合により架橋密度が上昇すること,また生成するアルケンや多環芳香族構造により分子間相互作用が強くなること(分子パッキング),および分子鎖の動きが抑制されることによるものと考えられる。</p>

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