日本における学術研究団体(学会)の現状

  • 埴淵 知哉
    中京大学国際教養学部教授 ポートランド州立大学客員研究員 日本学術会議特任連携会員 専門社会調査士
  • 川口 慎介
    海洋研究開発機構超先鋭研究開発部門研究員 日本学術会議連携会員

書誌事項

タイトル別名
  • Current State of Academic Societies in Japan

抄録

<p>近年,学術研究団体(学会)における会員数の減少が懸念されている.本稿では,日本学術会議が指定する協力学術研究団体を対象として,日本の学会組織の現状および変化を定量的に俯瞰することを試みた.集計の結果,学会のおよそ3分の2は会員数1,000人未満であり,人文社会系を中心に小規模な学会が多数を占める現状が示された.過去10年余りの間に個人会員数が減少した学会は3分の2にのぼるものの,それは理工系,中小規模,歴史の長い学会で顕著であり,医学系や大規模学会ではむしろ会員数を増加させていた.また,学会の新設に対して,解散は少数にとどまっていた.結果として,既存学会の維持および会員数の選択的な増減,そして新設学会の増加が交錯している状況が示された.そして,地理学関連学会は学術界全体の平均以上に会員減少が進んでおり,連合体や地方学会を含めてそのあり方を検討する必要性が指摘された.</p>

収録刊行物

  • E-journal GEO

    E-journal GEO 15 (1), 137-155, 2020

    公益社団法人 日本地理学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (3)*注記

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